狸の偏読日記

偏読者が思い出したように本について語る

映画大好きポンポさん2

 

 

 

読みたい本は読みたい時に向こうから現れるのか。それとも読みたい情報を読み手が解釈してしまうのか。

 

タイミング良く出会った本である。

 

私自身が編集稽古を約4ヶ月挑戦したからだったからか。

式が終わって帰宅した次の日に出会ったのだから、もう数日早ければ会場に持参して

きっと参加者に紹介しただろうと思う。

 

長々となってしまったが

今回紹介する本は

『映画大好きポンポさん2』である。

前作で人気映画監督に仲間入りしたジーンは

ある人気映画の続編を依頼される。

苦労の末に

100人いれば100人が認める続編を完成させる。

しかし映画好きの自分にとって、それは本意ではないものだという思いが強くなりギリギリで

出来上がった作品を彼は別のものと差し替えてしまう。

 

映画としては面白くても商品としては成立しないそれを再編集するポンポさんとコルベット

その時のコルベットの台詞。

「あらゆる創作物は好きって感情から生まれる。映画もまた然り。常軌を逸した好きが常軌を逸した作品を生む。好きの詰まっていない映画なんて存在する価値無いよ。だからジーン君は映画ファンのままでいいんだ」

ココは熱い。

自分は関係ないにも関わらず

編集を手伝う羽目になった彼が口から出たのは

ジーンへの憧れのような気持ち。

コルベットが映画を嫌いとは思わないだろうが好きでない映画の仕事もあると分かる。

 

結局は2人の力で求められている商品は完成するがジーンとポンポさん&コルベットの編集した映画というものは

同じ素材を元にしている。

それにも関わらず、何を地にするかという問題を思い出す。

 

1巻でも映画ではなくクリエイターとして

考え方をこれでもかっ!と載せていたが

今回はさらに映画馬鹿が常軌を逸し、さらにそれが周りを巻き込み物語としても大変楽しめる。

 

☆余談

脚本の書き方を指南するポンポさんの台詞

「行き詰まったらスタートからやり直せばいいのよ。簡単でしょ?登場人物の性格を変えたり組み合わせを変えたりしながら何回も何回も何回も何回も何十回でも場合によって何百回でもテーマに掲げた感情が一番生きるルートを探し続けるの」

 

これを面と向かって言われたら

その人を永遠の師としてしまうくらい。

創作に対する悩みをサクッと解決してしまって

いるが、出し惜しみしたくなるくらい参考になる考え方。