狸の偏読日記

偏読者が思い出したように本について語る

日本人の知らない日本語

日本語教師について勉強しようと思っている時に、ある団体の人が勧めてくれた本。

 

同じことをエッセイにすると

どうしても一部は説教くさくなるだろうが

やはり漫画の強みというのか

コミカルなイラストが

そんなものを感じさせない彼らの日常を自分たちの位置に連れてきてくれる。

 

本書は

日本語学校という環境で起きる

学習者の素朴な疑問や日本と母国での

文化の違いに触れており

日本語学校ならではと

笑ってしまう。

 

ただ、ただのギャグ漫画ではない所が

この漫画の優れている所で

日本語における言葉の違い。

またローマ字に戸惑う英語圏の方や

漢字に戸惑う中国圏の方などは

この漫画でそれを認識できた。

それくらい、「こうだろう」と決めつけていたものが実際はそうではなかった。

ましてや、自分が母語としている

日本語を話題にして生じている話題なら

日本人読者が惹きつけるのも無理はない。

 

自分たちが苦労して英語を学んだように

世界中の日本語学習者も苦労して

日本語を学んでいる。

そういう苦しみと

色々な事情はあるだろうが

日本が好きで日本に来て日本語を学んでいる

彼らがもっと日本を好きになってもらえるように応援したくなる。

 

そんな温かい気持ちにさせてくれた。