狸の偏読日記

偏読者が思い出したように本について語る

もし文豪がカップ焼きそばの作り方を書いたら

 

もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら (宝島SUGOI文庫)

もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら (宝島SUGOI文庫)

 

 

少し前に編集者が勧めてくれた本。

元はTwitterらしく。

そこでバズったので書籍化してみようかという流れになった。

今風な出生の本である。

 

さて、これはどういうジャンルなのか。

言葉にするのが難しいが

編集者曰く

スタイルを楽しむ本らしい。

 

ここでのスタイルとは

文章のクセ。リズムなんかが相当する。

Aの作家とBの作家が同じようなテーマで

オチも一緒の小説を書いても

どこか感じ方が違う。

そういう盛り付けに差が出る要素を

スタイルと私は理解している。

 

話を戻すと

この本にはあらゆるジャンルの著名人が「カップ焼きそばの説明書きを書く」という設定で

構成されていて中々、面白い。

だが、私が感じたのは企画として面白いが

内容はどうなんだろうかということである。

どれくらいの人間がどれくらいの時間をかけて執筆したのか分からないが

文章から「っぽさ」よりも「作業」という印象を受けてしまった。

 

来年は違う感想かもしれない。

ただ今は

とても残念な読み方になってしまった。

 

私自身、この本に興味を持ったのは

スタイルの幅を広げたいと思っていたが、

どうにも壁にぶつかり上手くいかないことがきっかけにある。

 

私は自分の文章の書き方が好きではない。

評価されたこともあるが

答えは単純でそれしか出来ないからである。

正統派の高等教育を受けた人間と並ぶ時に

同じ正統派では勝てない上に審査員の目に留まらないから、誰も選ばないスタイルを選んでしている。

それが今では二枚目の肌のように馴染んでしまったので、どうにもまいる。

日本人の知らない日本語

日本語教師について勉強しようと思っている時に、ある団体の人が勧めてくれた本。

 

同じことをエッセイにすると

どうしても一部は説教くさくなるだろうが

やはり漫画の強みというのか

コミカルなイラストが

そんなものを感じさせない彼らの日常を自分たちの位置に連れてきてくれる。

 

本書は

日本語学校という環境で起きる

学習者の素朴な疑問や日本と母国での

文化の違いに触れており

日本語学校ならではと

笑ってしまう。

 

ただ、ただのギャグ漫画ではない所が

この漫画の優れている所で

日本語における言葉の違い。

またローマ字に戸惑う英語圏の方や

漢字に戸惑う中国圏の方などは

この漫画でそれを認識できた。

それくらい、「こうだろう」と決めつけていたものが実際はそうではなかった。

ましてや、自分が母語としている

日本語を話題にして生じている話題なら

日本人読者が惹きつけるのも無理はない。

 

自分たちが苦労して英語を学んだように

世界中の日本語学習者も苦労して

日本語を学んでいる。

そういう苦しみと

色々な事情はあるだろうが

日本が好きで日本に来て日本語を学んでいる

彼らがもっと日本を好きになってもらえるように応援したくなる。

 

そんな温かい気持ちにさせてくれた。

 

 

 

 

映画大好きポンポさん2

 

 

 

読みたい本は読みたい時に向こうから現れるのか。それとも読みたい情報を読み手が解釈してしまうのか。

 

タイミング良く出会った本である。

 

私自身が編集稽古を約4ヶ月挑戦したからだったからか。

式が終わって帰宅した次の日に出会ったのだから、もう数日早ければ会場に持参して

きっと参加者に紹介しただろうと思う。

 

長々となってしまったが

今回紹介する本は

『映画大好きポンポさん2』である。

前作で人気映画監督に仲間入りしたジーンは

ある人気映画の続編を依頼される。

苦労の末に

100人いれば100人が認める続編を完成させる。

しかし映画好きの自分にとって、それは本意ではないものだという思いが強くなりギリギリで

出来上がった作品を彼は別のものと差し替えてしまう。

 

映画としては面白くても商品としては成立しないそれを再編集するポンポさんとコルベット

その時のコルベットの台詞。

「あらゆる創作物は好きって感情から生まれる。映画もまた然り。常軌を逸した好きが常軌を逸した作品を生む。好きの詰まっていない映画なんて存在する価値無いよ。だからジーン君は映画ファンのままでいいんだ」

ココは熱い。

自分は関係ないにも関わらず

編集を手伝う羽目になった彼が口から出たのは

ジーンへの憧れのような気持ち。

コルベットが映画を嫌いとは思わないだろうが好きでない映画の仕事もあると分かる。

 

結局は2人の力で求められている商品は完成するがジーンとポンポさん&コルベットの編集した映画というものは

同じ素材を元にしている。

それにも関わらず、何を地にするかという問題を思い出す。

 

1巻でも映画ではなくクリエイターとして

考え方をこれでもかっ!と載せていたが

今回はさらに映画馬鹿が常軌を逸し、さらにそれが周りを巻き込み物語としても大変楽しめる。

 

☆余談

脚本の書き方を指南するポンポさんの台詞

「行き詰まったらスタートからやり直せばいいのよ。簡単でしょ?登場人物の性格を変えたり組み合わせを変えたりしながら何回も何回も何回も何回も何十回でも場合によって何百回でもテーマに掲げた感情が一番生きるルートを探し続けるの」

 

これを面と向かって言われたら

その人を永遠の師としてしまうくらい。

創作に対する悩みをサクッと解決してしまって

いるが、出し惜しみしたくなるくらい参考になる考え方。

 

 

 

バッタを倒しにアフリカへ

 

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

 

 

とんでもないタイトルだが

表紙のインパクトもすごい。

 

子どもの頃からの夢である昆虫学者になるも

就職への不安が募る。

それらを払拭するために

優れた論文を執筆しようと

アフリカのモーリタニアにて

バッタの生態調査をすることを決める。

その記録。

 

博士号まで取ったインテリが

持つ将来の不安。

そして

例えば、どんなに優れた理論であっても

伝わらなければ意味がない。

一部の専門家だけが分かる言葉で自分の理論を説明しても内輪の楽しみになってしまうことを感じた。

 

この表紙などは最も分かりやすい例だが

既存の学者では絶対にやらなかったこと。

そしてそれは異業種交流から生まれたという

エピソードからは

自分も多くの人との関わりが

より良いインスピレーションが生まれる

切っ掛けになることを教えてくれる。

 

つまり、学びにならない人はいない。

 

 

 

 

癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか

 

癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか (角川文庫ソフィア)

癒す心、治る力―自発的治癒とはなにか (角川文庫ソフィア)

 

 

 

医者であり植物学者である著者は西洋医学を否定はしていないものの

そこには限界があり彼らが見落としている「心」の働きで病が治った例を多数紹介している。

このような体験談は

自分が健康だと何とも感じないが

自分が本当に生活困難なくらいの怪我や病気に

なったとき、これらを克服したという話がどれほど励みになるかを想像すると

感じ方も変わるだろう。

 

それでも

自己治癒力を高めて大病を克服した

エピソードを

胡散臭いと感じる人もいるかもしれない。

けれど人間の身体にはエラーを見つけ

消去する機能が備わっていることは事実で

我々が知らない間にも異常を正常に変える働きをしてくれている。

それならば身体全体で見たときも自己治癒力を信用するには足りるのではないだろうか。

 

本来、備わった自己治癒力によって

不完全な状態から

本来の位置に戻すことこそ

正しい身体の付き合い方なのだと

治療家よりも患者さんに読んでもらい。

 

 

またね。

 

 

流れ橋(上津屋橋)

今日は流れ橋見物に八幡市へ。

 

ここからバスに乗ると聞いていたのでバス停へ

確かにあります。

「上津屋流れ橋

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さて次のバスは何時かな。

 

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1時間に一本とは。

観光地とは思えない(驚)

 

どうしようかと困惑していると

駅前でレンタルサイクルの看板を発見^_^

 

すぐに受付をして

自転車をGET

 

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この後ろには電動機付き自転車もあり

時代の流れを感じます(笑)

 

橋を渡り道なりに進むと

川沿いにサイクリングロード

そして、ここからは快適なサイクリング🚴‍♂️

 

すれ違う自転車がすべてロードバイク

年間見るロードバイクをここで全て見た気分です😉

 

そしてようやく到着。

 

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図の通りなんですが

流れ橋とは増水時に橋桁が流されるも

回収しやすい構造とすることで

すぐに復旧することを可能にした

自然と向き合った閃きの建築物です。

 

つまり洪水でも流されない強固な橋桁を作るのではなく逆転の発想として流されることで

橋を維持してきたわけです。

新しい木材を購入して運搬、加工の手間を考えると効率的と考えるとわかりやすいでしょう。

 

楽しみにして近づいてみたら・・・

 

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流されていました。

昔、本で読んだ話では

下流で網のようなもので木材を

これ以上流れないように止めるのだと

聞いたことがあると記憶していたのですが

 

現実は

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ワイヤーで引っ張ってました。

 

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テンションかかり過ぎて

金具が心配なことになってますよね。

何だか「剛よく剛を制している」のを見た気分です。

 

ちなみに川の底にあたる地面は

きめ細かな砂地になっており

地元の子どもの遊び場になっていました。

 

完成された流れ橋は見たかったですが

ある意味で流された橋を見たのは

良い経験だと思いますし

つぎは復旧した流れ橋を見たいと思わせて

くれます。

 

この流れ橋はその特性から有名なのですが

時代劇のロケ地に使用されるなど

景観が美しいことでも知られています。

 

宗教的なシンボルではなく

渡るためだけの橋に美しさを求めるのは

贅沢なことですね。

 

 

またね。

 

 

京都国立博物館へ

正面。近くまで行ったので

ついでに京都国立博物館

本館?

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いつ見ても圧倒される美しさと凄みがありますよね。

いつものはもっと人が多いのですが

何故か今回は人が少なかったので

記念に撮影☹️

 

ところで本館の正面外観。その上にいる

神さまっぽい人。

最初、ミュージアムの語源であるミューズだろうと思ってたら、どうも違う。❓❓😅

男女いるんだ〜

 

一体誰なんだろう。

女性の方からは

なんか、こう。

アジアの香りがするんだけれども

気のせいなのかな??

 

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 ちなみに私が行った時は

干支である「犬」に因んだ美術品を一区画で

展示していましたが

常設展の延長のようで520円で入れました。

ありがたい

 

もともと京都国立博物館には

狛犬がかなり所蔵されていると話には聞いていましたが、今回初めてそれらを見ることが出来て感激。

 

しかも狛犬をピックアップして説明した

チラシが置かれていたのはヨダレが止まりません🤪🤪🤪

 

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さすがに所蔵品の撮影は出来ませんでしたが

大宝神社の狛犬を見れたのは嬉しいですね。

私が狛犬好きの切っ掛けになった本

 

狛犬事典

狛犬事典

 

 ここの表紙になっているカッコイイ狛犬です。

私も久しく狛犬本を読んでいなかったんですが

実際見てみると力強い姿の一方で

首元の鈴がギャップ萌え(⌒▽⌒)

 

作者の上杉さんは

狛犬好き過ぎて岐阜県狛犬博物館を作るくらいの狛犬研究における先駆者なので

こちらの本ををもう少し知るのが早ければ

私も皇學館を志望大学に選択していたかもしれません 

 

また

関西の方では狛犬というものに学術的な価値を与え論文執筆されている小寺先生も大変な功労者だと思います・

 

 

狛犬学事始

狛犬学事始

 

 またね。